History

パリから表参道さらに八ヶ岳へ

UPLAは、1973年に写真家のジャンピエール・ザカリアセンと建築家のオリビエ・ザカリアセンの兄弟によって創業されました。アウトドア志向の二人がパリのレ・アール(Les Halles)に開いたショップはクール&シックをコンセプトとし、使い手の声から生まれたオリジナルバッグや顧客目線で選ばれた品々で溢れていました。その後UPLAはル・タナー社社長のデコットと現UPLA Japan CEOの米田に引き継がれ、サンジェルマンデプレ(St Germain des Pres)へと移設されました。その後UPLAは、パリ創業時のコンセプトとバッグ作りへのこだわりを受け継ぎ、東京表参道で復活を遂げました。さらにコロナを機に創業の原点に回帰し、自然豊かな八ヶ岳南麓へ拠点を移しています。

UPLA Japanの哲学

「完璧がついに達成されるのは、何も加えるものがなくなった時ではなく、何も削るものがなくなった時である」アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ(Antoine de Saint-Exupéry)これはブランドタグにも記載されているUPLAのモノづくりの哲学です。UPLA Japanは、その精神を引き継ぎ、「人々が愛着をもって使える美しくて優れたプロダクトを提供したい」と考えています。そのために日本のテクノロジーをベースに、従来のモノづくりを超えた革新的な手法を用いています。UPLA Japanが生みだすバッグは華美な装飾をほどこすことなく、必要な機能を無駄のない美しいフォルムで表現し、目に見えないところまで独自のこだわりをもって作っています。
UPLA Japanは顧客に寄り添い、使いやすくて、美しく、日々愛用して頂ける品を提供し続けることをお約束します。

Concept

Indépendant(アンデパンダン)とは「自分らしく生きる」ということ

Indépendantは直訳するとフランス語で「自立する」という意味。自立することとは、小さな選択を積み重ねて常に自分らしくあることだと考えます。人生の選択は自分の手で行いたい。忙しい日々に流されそうな時こそ、一つ一つ丁寧に行うことの大事さを、自立した女性は知っています。そうしてはじめて、本当に自分らしく、自分の望む生き方ができることを知っているからです。

そんな女性はどんなバッグを求めるのでしょうか?その答えを見つけるためにUPLA Japanは、彼女たちの声に耳を傾けました。使いやすく、美しく、自分を表現できるバッグ、、、さまざまなファッション経験を重ね、本物の審美眼を持った女性の声に応えることは決して簡単ではありませんでしたが、そのリクエストを丁寧に掘り下げた結果、機能的で美しく、そして望むままに創ることのできるバッグを実現させることができました。一見シンプルに見えても、使ってみると随所にこだわりが感じられ、毎日つい手に取ってしまう。自分の人生を彩ってくれ、日々愛着をもって使える高い品質を備えたバッグ。UPLA Indépendantシリーズの誕生です。UPLA Japanは「美しくて優れたモノ」を通して、そんな女性の充実した毎日をサポートしていきます。

Philosophy Talk

スマートな消費者に支持されるスマートブランドでありたい

米田佳孝(UPLA Japan代表) X 佐々木かをり(イーウーマン代表)
1.「賢い消費者」が増えてきた

米田:イー・ウーマンさんでは企業に対して商品開発のアドバイスをスマートコンシューマーの視点でなさっているとお聞きしています。このスマートコンシューマーという言葉ですが、どういう人たちのイメージですか?

佐々木:スマートコンシューマーとは、賢い消費者という意味なのですが、具体的には、例えば、受け取る情報を自分で検証したり、比較したりしてから、ものを選び、買う、という人たちのことです。
インターネットができて、グローバル化で多くの人が海外を旅していろいろなものを見るようになってきて、生活スタイルも多様化しました。情報源も多様化してきています。そんな時代になってきた今、消費者も二極化してきたんですね。自分から情報を探しに行ったり比較したりする人たちが増えてきているのです。

米田:なるほど、自分で考えて主体的に行動をする消費者ということ。

佐々木:そうです。時々、私が宣伝すればイー・ウーマンの人たちが皆買うだろう、という人がいるのですが、そんなことはありません。私が説明する内容に納得すれば、自分の目で確かめた上で、買う、ということはあるかもしれませんが、ただ、「あの人が持っているから」とか、あるいは「流行っているから」というだけでは買いません。

米田:そういう時代を先取りした賢い消費者の声をこれからの商品開発に生かしていく必要がありますね。

佐々木:そうですね。一般的に調査やアンケートは、「今、どう考えているか」ということを聞き取り調査するのですが、イー・ウーマンでお引き受けしている商品開発などコンサルテーションは、違います。賢い消費者が、自分の行動や心理を分析して、これから欲しい商品アイディアを出していく。そんなこともできているんです。


佐々木 かをり
株式会社イー・ウーマン 代表取締役社長、株式会社ユニカルインターナショナル 代表取締役、米国ニューヨーク州エルマイラ大学名誉文学博士、国際女性ビジネス会議実行委員会委員長
上智大学外国語学部比較文化学科卒業 働く女性の声を発信するサイト 「イー・ウーマン」 では「自分で考え、自分で選び、自分で行動する」をキーワードに集まった人たちと「働く人の円卓会議」という公開ディスカッションを展開。自分を予約する手帳「アクションプランナー」を活用する佐々木メソッドによる時間管理術は、全国での講座に加え、企業・学校も活用されている。


2.「求めている商品が世の中にない」という声が多かった

佐々木:米田さんは、ハイテクベンチャーを経営されたり大学院で教えたりされていたのに、なぜまたバッグづくりに戻られたんですか?

米田:このところ起業家の育成サポートをずっとやってきていましたが、パッと感ずるところがあって・・・ もう一度本気で好きなことだけを自分でやりたくなったんで す。私は、このバッグの業界は古くて、もう本当にバッグ業界の黎明期からいくつかの著名ラグジュアリーブランドの立上げなども手伝いましたし、UPLAにも30年も前から関わっていました。自分でもかなりの数のブランドを手掛けました。それで、しばらく業界から距離を置いて少し遠くから見ていて何か違うな、変わってきたなという感じがしていたんですよ。どうしてだろうと気になって、今の女性たちのバッグに対する声を知りたくなったんですよ。調査を何度もしましたし、ネット上にあるいろいろな声もそれはもう集めまくりました。

佐々木:真実の声を集めるのは大変でしょう?それこそ、お手伝いできたのに。

米田:ネット上で発信されている声だから、ちゃんと意見を言う人であるし、ある意味スマートコンシューマーかもしれない。とりわけ仕事をしている女性の声を集めてびっくりしました。要するにもうこの業界はダメよ、業界の人は何も考えてないと言われているんですね。顧客の要望に全く応えていない。もう不満だらけで、彼女たちの求めている商品が世の中にないっていうのがすごく良くわかりました。その声を聞いて、本当に業界人としての責任といいますか、なんかこんなことではいけないという思いが強く出て来たんです。そんな中で「米田さんこういうバッグつくってよ」「世の中になければ自分でやれば!」という声を個人的に結構いただいて、よし、それじゃ一丁やるかと起業家魂に火を着けられました。

佐々木:バッグ、お好きですものね。

米田:はい、ほんとバッグ好きですね。どこへ行ってもバッグから目が離せないし、ずっと考えてる。長い間バッグビジネスの経営者をやっていたけれどクリエーションは直接やっていなかったんですよ。本心は自分でモノづくりをずっとやりたかった。それでね、顧客の声をずーっと丹念に集めていったら、割と見えて来た感じがするんですね。もっともなことばかりで、結局使いやすくてオシャレなバッグが欲しい。とくに仕事をなさっている人たちははっきりしていて、実際に日常移動して、そこに結構たくさんのもの、調べてみると3キロ~5キロくらいを入れている。大量のものを持って運んでいるからバッグ自体は軽くなくちゃいけない、でもしっかりしてなくちゃいけない。たくさん入れた時は肩に掛けたいけれど、肩が痛くなるのは困る。あと、底がしっかりしていて駅とかなんかでもちょっと置けて、置いた時にパタッと倒れない。机の横にポンって置いて倒れなくて中身が取り出しやすい。あと結構雨に濡れたりするから防水があったらいいとか。そういう機能的なことに関してはほとんどのご意見が一致していて、それなのにちょうどいいモノがない。

佐々木:肩に優しくなくちゃいけない、PCは入らなきゃいけないって、米田さんにお会いした頃から言ってた気がします。

米田:30年以上も前ですね。(笑)


3.愛用者の共感が生まれるような商品を作りたい

佐々木:というのは、私がつくっている手帳「アクションプランナー」が、そうなんです。これは、私自身の時間の使い方や時間管理の仕方を紹介していくなかで、手帳もご紹介することになった、というものなのですが、今では、女性も男性も、私の考え方やアイディアを気に入ってくださる方が、全国で毎年たくさん愛用してくださっています。正しく使ってもらうと、毎日の時間が上手に使えるわけですよね。そして、なんとなく、「アクションプランナーを使っている」ということが、同じ価値観、志、ということで仲間のイメージを作っているのです。例えば、こんな話も聞きました。会社のエレベーターホールで、憧れの先輩がアクションプランナーを持っていたので、話しかけたことがなかったのに、思わず、「先輩!私もアクションプランナー使っているんです」って話しかけて、メンター・メンティーの関係ができた、と。

米田:なるほど、それは面白いですね。

佐々木:他にも、商談に行って、はじめましてって言ったら両方がポンってアクションプランナーをテーブルに出したものだからいきなり打ち解けて商談がうまくいったとか。・・・UPLAのブランドもある一定の価値観とか、ライフスタイルを求めている人たちが行きついた機能、欲しい機能が入っているんですよね。そういったものを選んでいると、あなたもUPLAのバッグですかって言ってもらえるような、それを選ぶ人たちの集団にとっての一つのアイコンになるのではないでしょうか。

米田:それを認めた価値観が同じ、そういう意味での使っている人同士の共感が生まれるような商品。それは理想だなー。佐々木さんの場合は、時間管理術があってアクションプランナー。ソフトウエアがあって、それにともなうハードとしてアクションプランナーがあるということですよね。手帳の中身は1種類?

佐々木:そうです。手帳は、私の哲学を元に作っていますので1種類。手帳は人生脚本というコンセプトなんです。その時間管理の仕方、APメソッドを教える講座も全国で行っています。人は幸せな時に良い行動をしたり良い発想をしたりするので、幸せな気分でいたい。その方法を教えているんです。だけどカバーはいろいろあるといいんです。持った瞬間にワクワクするような手帳カバー、素敵な色のいろんな肌触りの、自分の気持ちを高めてくれるような手帳カバーを毎年作っています。

米田:UPLAも色にはこだわってますよ。すごくね。色ってすごく大事、自分を表現する時のキーですね。例えば、フェルメールのブルーって何とも言えず魅力的なんですよね。あの色はラピスラズリなんかも使って、ある意味フェルメールの発明ですよ。UPLAナイロンもそれこそ何十種類もあるナイロン生地の中からいろいろ試して2種類の生地を選び出し、またそれを貼り合わせる工夫をしながら創り出したんですよ。ベタっとした単調な色じゃなくて深みのある色、外で見るとすごく輝いて見えるけど、室内で見ると落ち着いて見えるとか、色が微妙に変化する。佐々木さん、是非アクションプランナーのカバーもつくらせて下さい。

佐々木:もちろんです、是非! UPLAとアクションプランナーのコラボということですね。UPLAのバッグに入れる素敵な手帳カバーが誕生するのを楽しみにしていますね。

米田:惹かれる色っていうのはどうも研究してみると、何層かの色の層が重なって、それでそれぞれの色が違う光の反射率と違う光の透過率を持っていて、それがうまく組み合わさったときに俄然魅力的になるようなんです。いろいろ工夫して、今までのアクションプランナーになかった色と味わいを創り出しましょう。なんだかワクワクしてきたなー。


4.日常を自分らしく彩るスマートブランド

米田:マチュアな女性っていうんでしょうか、ラグジュアリーバッグも何本かお持ちで、ファッション経験も豊かで、まあそういう方々がおっしゃるのはだいたい、機能的でシンプルなのがいいのよって。それが佐々木さんのおっしゃるスマートコンシューマーだと思うんですよ。ちゃんと品質について自分で分かっていらっしゃる、そして品質と価格のバランスを含めて自分で価値判断されている、そんな人が増えてきたように感じます。いろんな服を着るけれどその時にバッグが勝手に主張したりしたら困るんだと。自分でトータルにコーディネートしたい、自分らしくオシャレをしたい人たちです。UPLAはこんな人たちに対応したスマートブランドでありたいと考えているんです。

佐々木:スマートブランド?

米田:はい、ラグジュアリーブランド、コモディティ商品、にもう一つ付け加えてスマートブランドというカテゴリー。
ラグジュアリーブランドは、強い個性を打ち出しているものが多く、また非常に高価です。多くの顧客にとってラグジュアリーブランドは、非日常的な高揚感を得るためのモノですね。これに対してスマートブランドという概念は、スマートコンシューマーが非日常ではなく、日常を自分らしく過ごすためにサポートするモノですね。UPLAは、シンプルに徹する哲学でモノづくりをしたい、優れた機能をシンプルな形に結実させたいんです。ジョブズの考えを反映したiphoneや空の思想で創られた無印良品など、いいものはしっかりした哲学をもってモノづくりをしていると思います。

佐々木:モノづくりって楽しいですよね!

米田:クリエーターとしてモノを創るって、本当に悦びですね。モノを創っている時には心がピュアになるんですよ。いつまででもやっていたい、でもやるからにはいいモノをつくりたい。本当に完成度の高い商品を創るのは情熱と時間の関数ですね。情熱をかけて時間をかけてコストをかけてやればいいモノはできる。で、いつの間にかもう3年経っちゃいました。
顧客の要望を明確にイメージしていたので、そのハードルを越えるために考え尽しました。今までのバッグ業界の常識にはなかった素材や部品や縫製の構造までいろいろな事にトライしました。でも9割はうまくいかない、やったけど時間の無駄、でもその中からやっぱりいいモノが出てくるんです。UPLAナイロンにしても、バッグの構造や芯材にしても、そういうたくさんの試行錯誤の中でようやく出来てきた。

佐々木:UPLAに関しての米田さんの商品に対するこだわりとか、実験を重ねていっている様子っていうのは、全部サイトにて細かくご紹介されたほうがいいと思います。それが一番の魅力だと思います。そのブランドストーリーを、私が言うのもなんですけど、米田さんがたくさん語られて、UPLAっていうブランドを、米田さんのブランドっていうか、米田さんの情熱や知恵や経験がこもっているブランドにされたらいいと思います。UPLAっていうブランドネームを、みんなが帰属しているバッチをつけるみたいに考えたらどうでしょう。ライフスタイルを共有していることのマークになるようなブランドに育てるのがいいと思います。

米田:その路線で頑張ります。アドバイス、有難うございます。


代表者プロフィール

米田 佳孝
UPLA Japan CEO Designer
慶應義塾大学経済学部卒業 慶応ビジネススクール修了 日本IBM、米国IBM勤務 アディロン株式会社ほか6ケ国でバッグビジネス中心に起業 UPLA Japanは10社目の起業 超著名ブランドを含む10数ブランドを立上げ グロービス経営大学院大学ベンチャー経営戦略講師 ベンチャーアワード審査員 (株)insprout社外役員として多数の起業家を育成サポート